母子4人の遺体が見つかった住宅の現場検証に向かう捜査員ら=東京都品川区戸越2で2024年5月24日午前10時11分、朝比奈由佳撮影

 東京都品川区の住宅で母子4人の遺体が見つかった事件で、発見時に同じ寝室内で倒れていた父親の首に切り傷があったことが捜査関係者への取材で判明した。傷口が浅いことから、警視庁捜査1課は父親が自ら傷つけたとみて、回復を待って事情を聴く方針。

 事件では、品川区戸越2の2階建て住宅の1階寝室で23日、住人の職業不詳、高波(たかなみ)冬美さん(37)と、長女で小学校1年の後藤鈴(りん)さん(6)、いずれも保育園児で次女の玲(れい)ちゃん(3)、長男の信(しん)ちゃん(2)が死亡しているのが見つかった。

 捜査関係者によると、母子4人は胸や首などに刃物で刺されたり、切られたりしたような傷が複数あった。現場からは刃物が見つかっている。検視の結果、4人はいずれも失血死の可能性があり、警視庁は殺害されたとみている。今後、司法解剖をして詳しい死因を調べる。

 住宅は1階の部屋の床3平方メートルが焼けており、40代の父親も煙を吸い込み、病院に搬送され入院している。父親の首には浅い切り傷があり、警視庁は自ら傷つけた可能性があるとみている。5人が見つかった寝室は和室で、高波さんは出入り口付近に、子ども3人と父親は布団の上で倒れていたという。

 両親は今月離婚していたが、同居を続け5人暮らしだった。玄関や窓はすべて施錠されており、室内には家族以外が侵入した形跡はなかった。警視庁は24日、現場検証をしており、火災の原因などを調べている。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】

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