長野県中野市で猟銃やナイフで住民2人と警察官2人の計4人が殺害された事件から5月25日で1年です。近くに住む青木政憲被告(32)は2023年11月、4人に対する殺人の罪などで起訴されましたが、現在も裁判の日程が決まっていません。担当の弁護士によりますと、青木被告は事件について、ほとんどしゃべっておらず、1年が経とうとしている今も事件の真相はつかめていない状況です。

■「殺したいから殺してやった」と…

事件現場近くに立つ真新しい石像。

5月、被告の両親が4人を供養するため建てたと言われています。

事件は2023年5月25日午後4時半ごろ発生。

日課のウォーキングをしていた村上幸枝さん(当時66)と竹内靖子さん(当時70)が青木政憲被告に相次いでナイフで刺され殺害されました。

近くで目撃した住民は―

住民(事件当時):
「どうしてこんなことをと聞いたら、殺したいから殺してやったって」

■駆け付けた警察官2人が犠牲に

110番通報を受けパトカーが急行。運転席に中野警察署の池内卓夫さん(当時61)、助手席に玉井良樹さん(当時46)が乗っていました。

現場に到着すると自宅から猟銃を持ち出した青木被告が現れました。

近くにいた住民は―。

住民(事件当時):
「逃げるのに必死で見ていないけど(発砲の)音がすごかった」

玉井さんは撃たれた後、外に出ましたが被告がナイフで刺して殺害したということです。


■「ぼっちとばかに…」

なぜ、4人もの命を奪ったのか。

事件後、被告は女性2人について―。

(被告の供述より)
「『ぼっち』とばかにされていると思っていた」

「ぼっち」という言葉に敏感だったという被告。しかし、女性2人とは面識はなく、一方的な思い込みとみられています。

また、警察官2人については―。

(被告の供述より)
「射殺されると思い先に撃った」

■「絞首刑になるのは嫌だ」

被告は4人を襲った後、自宅に戻り立てこもりました。

当時、家の中には同居していた母親とおばがいました。

午後8時前後、2回銃声が鳴り響きます。

「自首」するよう説得する母親に対し「絞首刑になるのは嫌だ」と、被告は銃で自殺を図ったのです。

しかし、未遂に終わり、その後、母親とおばは外に出ました。

父親からも電話で「自首」を説得された被告。

立てこもりから約12時間後、外に出てきたところを確保されました。

■事件については語りたがらない 

被告は逮捕・送検され、2023年11月、4人に対する殺人の罪などで起訴されました。

裁判はまだ開かれておらず、被告は担当弁護士にも事件のことを語りたがらないということです。

なぜ事件が…。

真相は闇の中です。

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