2023年7月に秋田県を襲った記録的大雨被害を教訓に、秋田県は新しい防災アプリを導入した。災害時、障害がある人などを「音声」で避難所に誘導する。

大雨や地震などの大規模災害では、一刻も早い避難や状況の把握が重要になる。

そこで課題となっているのが、障害者や高齢者がどのように避難するかだ。スマートフォンやパソコンなど情報通信機器の操作が難しい障害者や高齢者は情報などが届きにくく、迅速な避難につながらない恐れがあるからだ。

そこで秋田県は、5月から新しいアプリの運用を始めた。

 県総合防災課・土門久仁子政策監:
「このあとも『いつ』『どこで』『どのような』災害が起こるか分からない。やはり情報発信が非常に重要。今回は視覚障害者にも使ってもらえるよう、音声で聞くことができる『耳で聴くハザードマップ』を作って、5月から運用を開始した」

秋田県が導入したスマートフォンアプリ「ユニボイスブラインド」は、文章を自動音声で読み上げる。利用者が現在地を設定すると、気象警報や注意報などの防災情報、洪水や土砂災害、津波などのハザードマップを確認できる。

 県総合防災課・安宅佑太主任:
「2023年7月の大雨の際に、高齢者や視覚障害者が自分のいる位置のハザードマップの状況や、どういうリスクがあるかなどの状況が分からないという声があった」

アプリは、最寄りの指定避難所や指定緊急避難場所にも案内してくれる。

アプリを使って秋田県庁から近くの避難所を表示してみると、近くにある山王中学校と表示が出た。「誘導する」というボタンを押すと、方向がシンプルな矢印で表示され、案内が始まる。避難所までの距離なども音声で読み上げられる。

2024年1月の能登半島地震では、住民同士が声を掛け合うことで迅速な避難につながった事例もあり、このアプリを使って周りの人に適切な避難場所や方向を教えることも防災につながる。

秋田県は、障害者や高齢者に限らず、多くの人にアプリを活用してもらいたいとしている。

 県総合防災課・土門久仁子政策監:
「秋田県は高齢化が進んでいるが、その中でも中心となる人、自治会長などが多くの人に声かけをしてもらいたい。『こういうアプリがある』と言って活用してもらえればと思っている」

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