広がりを見せる福島県石川町の官製談合事件。新たに官製談合防止法違反などの疑いが持たれているのは、2023年2月に石川町が発注した認定こども園の造成工事だ。

<認定こども園の造成工事>
石川町によると、この入札の予定価格は1億7594万8000円。5000万円以上の大規模工事に該当するため、入札に参加できるのは「Aランク」に位置付けられた町内の事業者となる。
その中で、落札率98.8%で落札したのが前町長・塩田容疑者が予定価格を漏らしたとされる「志賀建設」だった。

<入札制度の見直しを>
独占禁止法などを専門とする、専修大学の大槻文俊教授は「落札率だけでは談合かどうかは判断できない。再発防止を図るためには価格だけでなく技術も評価すべき」と指摘している。
大槻教授によると「入札業者は予定価格よりも、少し下あたりの価格で落札できれば利益が大きくなる。その分、税金が無駄に使われるということになる」と話し、再発を防ぐためには入札制度そのものを変えていく必要があるという。
「従来は価格だけで競争するのが普通だったが、価格だけではなくて技術点という工事担当者の技能などを点数化していき、価格と一緒に総合的に点数を決めて一番高い点数のところを落札させる総合評価落札方式というのがある」と話した。

<町では第三者委員会を設置へ>
今回の事件を受けて、石川町は5月に予定していた入札をストップ。再発防止に向けて、外部の有識者で構成する第三者委員会を設置する方針で、その検証を待って入札が再開されることになる。
また前町長・塩田容疑者には約770万円の退職金を支払われる予定だが、町は差し止め手続きを行う方向で調整している。
一日も早い信頼回復が待たれる。

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