岩殿山で落石のため封鎖された登山道。「鏡岩」と呼ばれる岩壁(中央奥)の一部が崩れた=山梨県大月市で2024年5月16日、野田樹撮影

 山梨県大月市は、2019年から落石の影響で通行止めにしている岩殿山(634メートル)の主要な登山道「強瀬(こわぜ)ルート」を再整備する方針を明らかにした。23日に開会する市議会で、整備費500万円を盛り込んだ補正予算案を提出する。今秋の完成を目指すという。

 岩殿山はJR大月駅近くの低山で、気軽に登れる山として人気がある。山頂から富士山を眺めることができ、山梨百名山などに選ばれている。県史跡の岩殿城跡があることでも知られる。通行止め前の18年は約4万6000人の登山者が訪れたが、21年は2万1200人に落ち込んだ。

 駅から最も近く、1時間ほどで山頂にたどり着く強瀬ルートは19年8月、「鏡岩」と呼ばれる岩壁から落石があった。登山道の手すりなどが損傷し、中腹の丸山公園から山頂までが通行止めのままだ。現在、山頂まで登れるのは、北や西から登る畑倉ルートと浅利ルートに限られる。

 市によると、鏡岩の状況を調べた結果、風化が進んでいることが判明。落石の可能性があるため、従来よりも鏡岩を避けるように迂回(うかい)したルートを整備する。登山道の距離が長くなるが、登頂に掛かる時間は大きくは変わらないという。

 ルート選定のために現地を歩いたという小林信保市長は、16日の定例会見で「通れない時期が非常に長く続いて、やっと新たなルートを見つけることができた。開通するめどが立ってほっとしている」と語った。【野田樹】

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