箏曲「六段くずし」に合わせて舞踊を披露する、舞妓の穂乃佳さん=京都市東山区の祇園花街芸術資料館で2024年5月17日午前10時32分、中島怜子撮影
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 京都市東山区の花街・祇園甲部の歌舞練習場の敷地内に15日、芸舞妓(げいまいこ)にまつわる品々を展示した「祇園花街芸術資料館」が開館した。芸舞妓による舞踊鑑賞や写真撮影などもでき、観光客を花街文化へといざなう。

 毎春開演している都をどりで、待合・茶席に使う2階建て大正建築「八坂倶楽部(くらぶ)」を開放する形でオープンした。1階ではおしろいをはじめとする化粧道具やかんざし、都をどりの着物などを展示。芸舞妓の修行について解説するコーナーもあり、彼女らの生活の一端を感じられる。2階の舞台座敷では、芸舞妓による舞踊を鑑賞できるほか、彼女らと写真撮影することも可能だ。都をどりの舞台を歩く体験ツアーもある。

2024年の都をどりで使われた着物とかんざしも展示している=京都市東山区の祇園花街芸術資料館で2024年5月17日午前10時11分、中島怜子撮影
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 舞妓を志望する若い女性や、舞妓の修行後に芸妓となって花街に残る女性は徐々に減っている。修学旅行で京都のまちを訪れる学生たちをターゲットに、文化や雰囲気を感じてもらうことで、花街の世界をより身近に感じてもらう狙いがある。また、芸舞妓に対面できる機会も設けることで、彼女らの姿を見ようと祇園を探し歩く観光客を1カ所に引きつけ、オーバーツーリズム対策にもつなげる。

芸舞妓が使う化粧品。彼女らの仕事ぶりを身近に感じることができる=京都市東山区の祇園花街芸術資料館で2024年5月17日午前10時12分、中島怜子撮影
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 17日にあったメディア向け内覧会で杉浦京子館長は「芸舞妓の姿を一目見たいという期待に応える施設ができないかと思っていた。これまで紡いできた文化を体験してほしい」と話した。

 開館時間は午前11時~午後8時(最終入場同7時)、水曜休館。入場料は一般1600円、高校生以下800円(修学旅行中の小中学生は400円)、未就学児無料。舞踊鑑賞や写真撮影などには別途料金がかかる。詳細はhttps://gion-museum.com/。【中島怜子】

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