ゾンビトレインにボランティアで参加する桐生市立商業高のダンス部員ら=みどり市のわたらせ渓谷鉄道大間々駅で2024年5月2日午後5時18分、遠山和彦撮影

 「ゾンビトレイン」が戻ってくる――。わたらせ渓谷鉄道は6~9月、昨年初めて運行し、連日満席の人気だったお化け屋敷列車「ゾンビトレイン」を運行する。実際の車両を使ったリハーサルが2日、同鉄道の大間々駅(群馬県みどり市)であり、ボランティアでゾンビ役を務める桐生市立商業高のダンス部や演劇部のメンバー、ビジネス研究部の部員12人が参加した。

 リハーサルでは、ゾンビメークをしたダンス部の3人が音楽に合わせて車両内で約3分踊って車両の様子を確認した。ゾンビ役をするために、お化け屋敷制作や俳優の派遣をする会社「怖がらせ隊」(本社・東京都)に依頼してメークアップの仕方などを学んだ。ゾンビ役の3年、鈴木結衣さん(17)は「まぶたを開いたままにするなどゾンビらしい演技を工夫している。乗客に桐商のゾンビを楽しんでほしい」と話した。

 同鉄道によると、今回のゾンビトレインは「トロッコわたらせ渓谷号」の1車両を貸し切り、大間々-通洞(栃木県日光市)間で行う。暗いトンネルを含む区間で、乗客はゾンビの恐怖を体験する。

 6月2日~9月1日の土日に計9回運行する。片道料金は中学生以上3500円、小学生以下2000円。問い合わせは同鉄道(0277・73・2110)。

 列車の運行に合わせ、桐生市立商業高ビジネス研究部はクッキーやゼリーなどのお菓子を販売する。同高のダンス部、演劇部がゾンビ役のキャストとして参加する一方、「目玉ジュース」「臓物クッキー」などちょっと不気味な菓子提供でイベントを盛り上げる。

 ビジネス研究部は4月からイベントで販売するお菓子作りを計画。大型連休最終日の今月6日に前橋市など県内9カ所の量販店を回って、少しでも安い原材料を探した。7日夕には同部顧問の小関香奈子教諭の指導で、学校でクッキー、ワッフルなどを試作した。その結果、人間の目玉を模したゼリー入りジュース、人の臓物のような模様入りのクッキーを販売することに決めた。

 30人の部員で唯一の男子部員、1年生の金井唯翔さん(15)は「(焼き菓子の)材料を絞り出すところが難しかった」と話し、「今回の取り組みを通じて社会を学びたい」と話した。部長で2年の撹上悠佳さん(16)は「地域おこしの取り組みに参加できてうれしい。お金を出して買ってもらえるようなものを作る責任も感じている」と語った。

 イベント期間中にお菓子は大間々駅と通洞駅で部員が接客して販売する。同校の林順一校長は「生徒には学校外の方と触れる中で、学ぶことも多い。失敗を恐れずに挑戦してほしい」と話している。【遠山和彦】

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