米国の臨界前核実験に抗議し、原爆慰霊碑前で座り込みをする広島県被団協のメンバーら=広島市中区の平和記念公園で2024年5月18日午後3時15分、武市智菜実撮影

 米国の臨界前核実験を受け、広島や長崎の被爆地から憤りの声が相次いだ。

 広島県原爆被害者団体協議会(県被団協)などのメンバーは18日午後、原爆慰霊碑(広島市中区)の前に座り込み、「断固抗議」と書かれた横断幕を掲げた。

 1年前の5月19日に被爆地・広島で開幕したG7サミットで、各国首脳はそろって慰霊碑への献花や被爆者との対話に臨み、核軍縮に向けた主要7カ国の首脳文書「広島ビジョン」を出した。県被団協の佐久間邦彦理事長(79)は「首脳声明の約束が守られず怒っている。私たちはくじけない」と訴えた。

 県や広島市、県内の被爆者団体は、バイデン米大統領宛てに抗議声明を送った。

 長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(83)は「本当にけしからんことで、憤りを感じている。『核兵器と人間は共存できない。核戦争は人類を滅亡させる』とずっと訴えているのに、聞き入れてもらえないのは非常に残念だ」と批判した。【武市智菜実、尾形有菜】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。