「これ以上町政の停滞と混乱を招くことは許されない」・・・官製談合事件で逮捕された福島県石川町の塩田金次郎町長が5月15日に辞職届を提出。17日の町議会で同意され辞職が決まった。
<17日の石川町臨時議会>
官製談合防止法違反などで逮捕された町長の塩田金次郎容疑者が、5月15日に辞職届を提出したことを受けて招集された。
辞職届は全会一致で同意され、5月17日付けで塩田容疑者の辞職が決定した。
首藤剛太郎副町長は「今回の町長の辞職届の提出というのは、停滞・混乱を避けるための、ご自身・リーダーとして政治家としての、けじめをつけられたことだろうと考える」と話した。
<官製談合事件>
2022年9月に石川町が発注した道路工事の入札で、土木会社の取締役と社員だった2人に秘密事項の予定価格を教え、落札させた疑いがもたれている塩田容疑者。
関係者によると、塩田容疑者は土木会社側から依頼を受けて予定価格を漏らしていたとみられている。
<町民からは厳しい声>
「町政を混乱させたことに対しましても、返す返すも申し訳なく思っております」
町民に対し、このようなメッセージを残し辞職が決まった塩田容疑者。これに対し町民からは「辞職は当たり前。良い悪いじゃなくて、やる事自体が間違っています。長として」「町民に信頼されたから町長になったのだから、納得いくように説明してもらってから、辞めてもらいたい」「今後、こういった事が二度と起こらないように、クリーンな町政に務めて欲しい」と厳しい声が聞かれた。
トップの逮捕、そして辞職に揺れる石川町。混乱が続いている。
<取材担当・浅野晋平記者の解説>
ーー町長が辞職に至った今回の官製談合事件。事前にチェック機能は働かなかったのか?
今回の事件は、町発注の道路工事をめぐるもので、町や議会の対応が適切だったかも重要だ。議会事務局によると、議会の議決が必要になるのは予定価格が5000万円以上の工事となっている。今回の工事については予定価格が1260万円あまりで、議会の議決が必要にはならない。
ただし、他の工事について、議員からは「落札率が高いのではないか」という質問が議員全員協議会などで上がっていた。
また、町の側もマニュアルに従って入札を行ってきたと議員に説明し、適切に手続きを進めてきたとしている。首藤剛太郎副町長は「入札に関しましては法律、それに基づく町の規定・要項等を用意し、それに基づいて実際の事務手続きを行ってきたところです」と話した。
石川町議会の近内雅洋議長は「落札率が高いとか、質問は前からしていましたけど、執行部の答弁がありましたので、それで我々は納得するしかなかったというこです」と話す。
違和感を持った町議がいたにもかかわらず、事件につながったわけだ。
ーー今後の対策はどうなるか?
町は再発防止に向けて、外部の有識者で構成する第三者委員会を設置する方針だ。今後、町の入札制度を検証し、不正が起きない対策について検討を重ねることにしている。
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