大阪公立大杉本キャンパス

 大阪公立大は16日、杉本キャンパス(大阪市住吉区)にある大学院工学研究科の研究室で、猛毒のシアン化カリウム(青酸カリ)とシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)をそれぞれ25グラム紛失したと発表した。計約250人分の致死量に相当するとみられる。同大は大阪府警住吉署に報告しており、被害届を提出する方針。

 同大によると、二つの薬品は研究室の鍵付きの劇毒物保管庫に保管し、直近では2023年6月28日に存在を確認していた。24年度に入り、学内では毒物の一斉点検を実施。この研究室でも4月30日~5月2日にかけて、管理責任者の教員が棚卸しし、紛失に気づいたという。その後、他の教員らも参加して研究室内を捜したが見つからず、学内手続きを経て15日に府警に報告した。

 保管庫の鍵を収納する専用ボックスは、事前登録された人が職員証や学生証を使って開け、開閉した人の氏名や開閉日時が記録されるという。薬品を使用した際も、使用者が用途や数量を記録する仕組みだった。紛失した薬品はいずれも10年以降、使用履歴はなかった。【東久保逸夫、露木陽介】

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