大阪市役所=大阪市北区中之島1で2019年2月25日、林由紀子撮影

 65歳以上の高齢者が支払う介護保険料が全国最高の月額9249円となった大阪市。市によると、その背景には1人暮らしや市民税非課税の高齢者の多さがあるという。2020年の国勢調査によると、高齢者のいる世帯に占める独居高齢者の割合は45・0%で、全国平均(29・6%)の1・5倍超となっている。

 市によると、23年の市内の独居高齢者の要介護認定率は38・6%で、2人以上で暮らす高齢者の約2倍に上った。独居高齢者は、掃除や買い物など日常生活でも介護サービスを利用する傾向があるという。さらに、21年の国の統計では、市内の高齢者のうち、全員が市民税非課税の世帯にいる高齢者の割合は49・3%と、全国平均の33・2%を大幅に上回る。介護保険料は所得が低いほど安くなるため、市全体の介護費用を賄うには保険料を上げる必要があるという。

 横山英幸市長は14日、報道陣に「高い介護保険料は(高齢者にとって)大変大きな負担になっていると思う。体を動かしてもらう機会を作るなど、介護を受けずに暮らせる街づくりをしていきたい」と述べた。【長沼辰哉】

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