月間利用者数が開業以来最多となったLRT=24年5月14日、宇都宮市の宇都宮駅東口停留場、今里茉莉奈撮影

 次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線を運行する宇都宮ライトレールは13日、LRTの4月の月間利用者数が昨年8月の開業以来最多となる、42万1613人を記録したと発表した。同社によると、これまでは開業直後の昨年9月における約39万9000人が月間利用者数の最多だった。同社は小学生や高齢者を対象とした施策の奏功や、新生活の開始に伴う利用客増加などが要因と分析している。

 同社によると、24年4月の1日あたりの定期券利用者は約5400人で、2月の約4000人の1・35倍となった。同社は4月から、ダイヤ改正による宇都宮駅東口―芳賀・高根沢工業団地間の所要時間の短縮や、ピーク時間帯の増便、所要時間約42分の快速運行を実施していた。同社はこれらによる利便性向上を受け、4月からの就職や入学を機に利用客が増えたとしている。

 また、宇都宮市は3月から、小学生を対象に、LRTで利用できる交通ポイントがあらかじめ付与された交通系ICカードの「totra(トトラ)」を配布。この影響もあり、交通ポイントを利用した4月の乗客者数は、2月と比べ約1・8倍の4485人だった。

 ほかに、70歳以上を対象にLRTを含めた公共交通機関で使える1万円分の福祉ポイントを付与する「高齢者外出支援事業」も実施した。この結果、本事業を利用した4月の乗客者数も2月と比べて約1・5倍の1万2693人となった。同社はこれらの施策も奏功したとみている。

 同社の担当者は「新年度からの通勤・通学手段としてLRTを選んでいただけたと考えており、ありがたい。今後も利用客の皆様の声に耳を傾けていきたい」と話した。【今里茉莉奈】

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