法被を羽織り、ハチマキを巻いた人たち。あちこちから威勢の良い声が上がる中、「どけよテメェ!」「この野郎!どうすんだよ!どうすんだよこの野郎!」と怒号が飛ぶ。

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東京・上野で12日に行われた「下谷神社大祭」の会場で、乱闘騒ぎが発生。さらに、みこしが通る先々では見物客が巻き込まれる様子も見られた。

下町で1、2を争うほどの激しい祭り

東京・上野にある下谷神社は、今週末約120軒の露店が並び盛り上がりを見せた。祭の会場となる下谷神社周辺には、ずらっと露店が並ぶ。こうした市民の祭りにも物価高の波が押し寄せており、「たこが高いし、野菜も高いし、それだけ利益も少なくなるし、値上げすれば売れるってもんじゃない」(たこ焼き店店主)、「給料ないですよね。材料代が高いからうちら給料ないですもんね。ボランティアでやってる」(焼きそば店店主)といった声が聞かれた。

1000年以上の歴史を誇る下谷神社大祭のメインイベントは、6年ぶりの「本社神輿担ぎ」だ。

下谷神社大祭は、東京下町の夏祭りの中でも1、2を争うほど激しい祭りと言われることもある。地元・下谷町の町会長は「この通りは午後4時から午後5時の間、すごい嵐が来るので注意してくださいって、もう壊れても責任負えませんよっていうぐらい言ってますからね。人が人で押されてガラス割っちゃったり多々ある。だから本当にけが人が出ない、もうそれだけ。心配しています」と話す。

午後4時過ぎ、みこしが商店街へと近づいてくると一気に周囲が慌ただしくなった。多くの担ぎ手とともにみこしが商店街へ近づくと「来たときに本当にけがするよ!逃げた方が良いよ!よけたほうがいいよ!冗談じゃねーからな!」と呼びかけられた。

商店街ではシャッター閉め…押されて倒れる人も

みこしが通過する商店街では、午後3時半過ぎには店の片付けが始まっていた。店員は「今からみこしが通るので片付させてもらってる。いったんシャッター閉める。すごい人通りになるので、それが過ぎるまでは、嵐を過ぎるのを待つだけ」と話す。

そこへ、「道空けてください!おはやし通ります!開けて!」と叫び声が響き渡った。商店街の中をダッシュで走って行く祭りの関係者たち。その先には、みこしを待つ多くの人だかりができていた。

そして、商店街の狭い路地に一気に人とみこしがなだれ込むと、押された人が倒れてしまい、瞬く間に危険な状況になった。このような場所は他にもあった。人の波で逃げ場を失った人々に、奥からさらに多くの人々がなだれ込んでいき、道の端のテーブルごと倒れ込んでしまう人もいた。

乱闘騒動に発展

そして祭りはクライマックス。最終盤には乱闘騒動へと発展した。

「どけよテメェ!」と怒号が飛び、複数の男性が取っ組み合いをしているように見える。必死に当事者同士を引き離そうとする周囲の人たちの近くには、警察官の姿も見えるが収拾がなかなかつかなかった。

「どうすんだよ、この野郎!」「なめんじゃねーぞオラー!」「やめろ!離れろよ!」
その後も怒号が飛び、男性が突進。再度つかみかかりにいき、再び乱闘が勃発した。

祭りの期間中、みこしから落下し、頭を打った人がいたが意識はあり大事には至らなかったという。
(「イット!」 5月13日放送より)

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