日本航空=曽根田和久撮影

 福岡市博多区の福岡空港で10日正午過ぎ、日本航空機が滑走路に向かう誘導路の停止線を越え、滑走路を走行中だった日航傘下のジェイエア機が離陸を中止していたことが、国土交通省などへの取材で判明した。乗客・乗員にけがはなかったが、国交省が詳しい状況を調べている。

 国交省や日航によると、トラブルがあったのは羽田空港行きの日航312便(乗客乗員計176人)と、松山空港行きのジェイエア3595便(同48人)。日航機は離陸のため管制官の指示で誘導路を進み、何らかの理由で停止線を越えてジェイエア機が走行していた滑走路に接近した。ジェイエア機は管制官の指示で急ブレーキをかけて離陸を中止。同機は機体点検のため欠航した。

 国交省は事故発生の恐れがある「重大インシデント」には当たらないと判断したが、日航機が停止線を越えた経緯などを詳しく調べるとしている。

 日航は取材に「ご心配をおかけして申し訳ない。管制との交信内容を含め原因の分析と再発防止に努める」などとコメントした。【長岡健太郎、池田真由香】

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