浜田琴さん=千葉県船橋市で2024年2月21日午後2時41分、石塚孝志撮影

 米・ロサンゼルスで2023年11月に開催された似顔絵の世界大会に初出場し、立体似顔絵部門で2位に輝いた浜田琴さん(43)。似顔絵を描き始めたのは6年前。そっくり人形を作る立体似顔絵の経験はわずか4年ほどだ。「周りがすごい作品ばかりだったので、入賞は難しいと思いましたが、やはり、うれしいです」と笑う。

 東京の女子美短大を卒業し、子ども服のデザイナーとして会社に勤めた。結婚し、出産と同時に退職。似顔絵は、子どもが幼稚園に進み、地域情報サイトを運営する会社で事務のアシスタントをしていた時、「絵が得意ならママさんイベントで似顔絵を描いて」と頼まれて始めた。その後、専門的に学び、19年から地域イベントや通信販売でプロとして本格的に活動を始めた。

 立体似顔絵を始めたきっかけは、新型コロナウイルスの流行だ。20年になるとイベントの中止が相次ぎ、ほとんど仕事がなくなった。趣味でフェルトマスコットを作っていたが、インフルエンサーとして人気の双子姉妹のそっくり人形をSNS(ネット交流サービス)にアップすると、似顔絵以上に反響があった。「そっくり人形なら注文が来るかな」と受注を始めたという。

 似顔絵は鼻の下の陰影やしわ、色などで似せることができるが、立体似顔絵は、無駄をそぎ落としてどれだけ似せられるかがポイントという。特にこだわっているのは、可愛くて思わず笑顔になるような人形に仕上げることだ。

 世界大会は4日間で作品を完成させ、参加者たちの投票で入賞者を決める。通常は1体に3日間かかるところを、4日間で5体作った。「みんなびっくりしていました。頑張ったねと票を入れてくれた人もいたんじゃないかな」

 立体似顔絵の良さを多くの人に知ってもらうため、今年は参加者と一緒に作るワークショップをたくさん開きたいと考えている。【石塚孝志】

浜田琴(はまだ・こと)さん

 1980年、神奈川県横須賀市生まれ、東京都東村山市育ち。結婚後、夫の実家に近い船橋市に移住。2020年に「オンライン似顔絵竜王賞」優勝、23年は日本似顔絵アーティスト協会主催の「似顔絵日本大会」の作品賞2位獲得。

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