イベントに登壇した米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁(7日、ロサンゼルス)=ロイター

【ロサンゼルス=秋田咲】米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は7日、米連邦準備制度(FRB)の金融政策を巡り「最も可能性が高いシナリオは、インフレ鈍化がはっきり確認できるまでは政策金利を据え置くことだ」と述べた。経済指標次第では2024年中の利下げが「ゼロ回になる可能性もある」との見方を示した。

米ロサンゼルスで8日まで開催中のミルケン研究所グローバル・カンファレンスで語話した。年内の利下げ回数は3月時点で2回を予想していたが、米経済は当時の想定よりも底堅さを保ったという。利下げが適切と判断するには複数の経済指標を見極める必要があると説明した。

6日の同イベントでニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は「最終的には利下げするだろう」と話す一方、具体的な時期は言及を避けた。カシュカリ氏はインフレ抑制という「仕事を完了させる必要がある」と述べ、利下げを急がない姿勢を示した。11月の米大統領選挙は金融政策に影響は与えないと強調した。

カシュカリ氏は金融引き締め長期化のリスクにも触れた。商業用不動産を例に挙げ、隠れたリスクが顕在化すれば金融市場に「サプライズを起こすかもしれない」と語った。最新の指標や金融情勢を注視していく考えを示した。

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