日銀は2日、マイナス金利政策を含む大規模緩和を解除した3月の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。先行きの政策運営について複数の政策委員が「物価が上振れることもあり得る」と指摘した。このうち一人は「今回の対応で柔軟に対応しやすくなる」と話し、追加の利上げを示唆した。
金融政策決定会合は総裁を含む9人の政策委員が議論し、採決する。複数の委員は物価上振れリスクについて「現時点では大きくないものの、非連続的にインフレ期待が変化すれば物価が上振れる」との見方を示した。
このうちの一人が物価が上振れした際の追加利上げを示唆した。「今回の対応によって、こうしたリスクが顕在化した際も、より柔軟に対応しやすくなる」との見解を述べた。
3月会合で決定した長期金利を低く抑え込む長短金利操作の撤廃をめぐり、複数の委員は「将来的にはどこかのタイミングで国債の買い入れを減額することが望ましい」と意見した。
委員の一人は「急激な市場変動を避ける観点から時間をかけて対応することが適当だ。その間に債券市場の参加者が拡大することを期待する」と述べた。複数の委員は「上下に多少の変動幅をもつ形で、調節部署が柔軟に決めていくべきだ」と話した。
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