政府は24日、半導体や蓄電池といった経済安全保障推進法に基づく特定重要物資のサプライチェーン(供給網)の強靱化に向け、緊急時に国が民間企業の工場などを一時的に取得して生産委託を可能にする制度を導入する方針を固めた。  感染症流行に加え、原材料輸入が途絶し、工場設備の処分で生産能力が失われる恐れがある場合などの活用を想定する。来年秋ごろの運用開始を目指す。同日の経済安保法制に関する有識者会議で示した。  政府は半導体や蓄電池の他に、永久磁石や重要鉱物、天然ガスなど計12品目を特定物資に指定。財政支援を通じて生産強化や研究開発、備蓄に取り組んでいる。  この日の会議では、特定の重要設備を企業が導入する際に国が事前審査する「基幹インフラ制度」の対象に医療を追加するかどうか検討を続けることも確認。デジタル化が進む中、病院や医療システムがサイバー攻撃を受ければ国民生活への打撃が大きく、防御体制を強化する必要があるためだ。  政府は電気や鉄道、空港、放送、金融など15業種を基幹インフラに位置付けている。

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