積水化学工業は23日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行と次世代の太陽電池「ペロブスカイト型」の設置に向け実証実験を始めると発表した。大井支店(東京・品川)とMUFGの研修施設に設置し、発電量や耐久性を検証する。2025年春の販売開始に向け、様々な設置場所で実積を増やす。
大井支店では5平方メートル分をガラス壁の室内側に貼り付け、屋外向け掲示板の電力として使う。研修施設である「MUFGグローバルラーニングセンター」(横浜市)では屋上に置き、食堂利用者向けの電源に充てる。実証期間は4年間で、最適な設置方法を検討したり、発電量や耐久性を確かめたりする。
ペロブスカイト型の太陽電池は重さが通常のシリコン型の10分の1以下。薄いため曲げることもできる。これまで設置が難しかった壁面や体育館の屋上などにも対応する。軽くて設置が簡単なため、設置コストを抑えることもできる。
積水化学が開発した約30センチメートル幅の電池をつなぎ合わせ約1メートル角にした太陽電池を設置する。同社の開発品は、10年相当の耐久性があるのが特徴だ。同日の記者会見に登壇した積水化学の上脇太代表取締役専務執行役員は「店舗でアピールし、多くの人に知ってもらいたい」と話した。
三菱UFJ銀行は実証を通じて、ペロブスカイト型の有効性と課題を評価する。太陽電池を導入する顧客向けの金融支援業務に生かす。
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