退任を発表したHSBCのノエル・クインCEO=ロイター

【ロンドン=大西康平】英金融大手HSBCホールディングスは30日、ノエル・クイン最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。後任は取締役会が社内外から選び始めており、当面はクイン氏がとどまる見通しだ。

クイン氏は2019年に暫定CEOに就任後、20年からCEOを務めてきた。フランスや米国事業を売却し、アジア事業の強化を進めてきた。クイン氏は「私生活と仕事の良いバランスをとるのにいい時期だ」とコメントした。

同日に発表した2024年1〜3月期決算は純利益が1%減の101億8300万ドル(約1兆6000億円)だった。純金利収入が3%減の86億5300万ドルとなった。

預貸の利ざやを示す純金利マージンは1.63%と、預金金利の上昇で前年同期の1.69%から鈍化した。

貸倒引当金などの予想信用損失は7億2000万ドルで、富裕層などの個人向け部門での計上がかさみ、前年同期の4億3200万ドルから増えた。

事業売却に伴ってカナダで48億ドルの利益、アルゼンチンで11億ドルの損失をそれぞれ計上した。最大30億ドルの自社株買いを実施するとも明らかにした。

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