加藤勝信金融相は13日の記者会見で、三菱UFJ銀行の元行員が東京都内の2支店の貸金庫から金品を盗んだ事案を受け「大変遺憾な事態と認識している」と述べた。同行での今後の対応については「適切に顧客保護を図るとともに事実関係の全容解明、原因究明および再発防止が講じられるものと思う」と話した。

金融庁は貸金庫を管理する体制に問題がなかったかなどを調査するために、同行に対し銀行法に基づく報告徴求命令を近く出す方針だ。命令の事実関係について加藤氏は「具体的な対応については個別の案件なので話さない」と述べた。

三菱UFJ銀行によると、支店の店頭業務責任者が2020年4月〜24年10月の4年半にわたり、練馬支店(旧江古田支店を含む)、玉川支店の2支店で顧客の貸金庫を無断で開け、約60人分の資産を盗んだ。被害総額は時価十数億円程度に上るという。現状、他の支店で同様の被害は確認されていない。

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