記者会見する中国電力の中川賢剛社長=4月、広島市
中国電力の島根原発2号機が再稼働した。発電費用を抑えられるため、2024年度は経常損益ベースで約110億円の改善を見込む。今後、年間を通して稼働すれば約400億円の貢献が期待されるが、安全対策に向けた投資も必要になる。原発の活用で電気料金を値下げすれば競争力の強化にもなるだけに、経営力が問われそうだ。 中川賢剛社長は10月の記者会見で「収支改善で、競争力の向上やカーボンニュートラルに向けた取り組みの原資ができる」と語った。 再稼働により中国電は、工場向けの高圧と特別高圧の電気料金を1キロワット時当たり0・3円値下げする。一般家庭向けの低圧は、昨年の料金改定で原発の貢献を見込んで算出しており、現時点で見直す予定はないという。 島根2号機が再稼働した後も、テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」を28年までに設置する必要がある。建設中の島根原発3号機の稼働も30年度までを目指しており、投資負担は軽くない。 SMBC日興証券の田中志侑クレジットアナリストは「先行投資としては重い」と指摘した。記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
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