日銀が3日に発表した国債の銘柄別保有残高によると、10年債の366回債の保有額が8兆262億円(11月29日時点)で前回から2000億円減少した。金融市場局が金融機関に国債を貸し出す「補完供給オペ」で、金融機関が返さずにそのまま買い取ったことを認めた。日銀の保有割合が高い国債の流動性を改善する狙いがある。
オペを利用した金融機関は国債を日銀に返さなければならないが、手数料を払えば例外的に返さずに買い取る「減額措置」が認められる。
今回、減額措置が認められたのは366回債と呼ばれる国債だ。国債の先物が満期を迎えた際に受け渡しに使われる銘柄を「チーペスト」という。366回債は12月中旬からチーペスト銘柄になる。日銀の保有割合が9割を超えており、市場では品不足になる可能性が懸念されていた。
366回債は海外勢が日本国債を売る動きが強まった22年6月に、日銀が長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の主対象としていた。
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