トヨタ自動車が、次世代EVの生産開始を2027年半ばに遅らせる方向で調整していることが26日、分かった。これまでは26年に投入する目標を示していた。EV需要は各国で濃淡があるものの、世界的に減速傾向にあることから、開発期間に余裕を持たせる狙いがあるとみられる。  生産時期を遅らせるのは、高級ブランド「レクサス」のEV。充電時間の短さや千キロの航続距離を売りとするコンセプトモデル「LF―ZC」を、23年10月の「ジャパンモビリティショー」で公開していた。ただ車体構造やソフトウエアなどを抜本的に見直す必要があり、開発には時間を要すると判断したようだ。  走行中にCO2を排出しないEVは、環境意識の高まりや各国の優遇政策を背景に市場が拡大してきたが、ここに来て需要が一巡したとの見方がある。特に欧米での鈍化が顕著で、ガソリン車やHVと比べると価格が高く、航続距離も短い点が普及の障壁となっている。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)などEV開発に巨費を投じたために経営不振に陥ったメーカーもある。

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