日銀が26日発表した10月の企業向けサービス価格指数(2020年平均=100)は108.7と前年同月比で2.9%上昇した。9月(2.8%上昇)から伸び率が0.1ポイント拡大し、8月(3.0%上昇)以来の高い伸び率となった。10月は価格改定月のため、幅広い業種で人件費の価格への転嫁が進んだ。
特に人件費の転嫁が進んだのは、生産額に占める人件費のコストが高い業種(高人件費率サービス)だ。3.3%上昇し、15年3月(3.4%上昇)以来の高い伸び率となった。低人件費率サービスは2.8%の上昇だった。
企業向けサービス価格指数は企業間で取引されるサービスの価格動向を表す。例えば貨物輸送代金や、IT(情報技術)サービス料などで構成される。モノの価格の動きを示す企業物価指数とともに、今後の消費者物価指数(CPI)に影響を与える。
内訳をみると、運輸・郵便は3.3%上昇と9月(1.6%上昇)から伸び率が拡大した。10月からの郵便料金の値上げで郵便・信書便が24.5%上昇し、過去最高の伸び率となった。宿泊サービスは17.1%上昇し、9月(12.7%上昇)から大きく伸びた。堅調なインバウンド需要が寄与した。
調査対象の146品目のうち、価格が上昇したのは112品目、下落は16品目だった。
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