主な生命保険会社の2024年4〜9月期決算が25日、出そろった。本業のもうけを示す基礎利益は14社・グループの合計で前年同期比18%増の2兆730億円だった。円安で外貨建て資産の利息や配当金が膨らんだ。堅調な決算だったが、トランプ次期米大統領の就任など市場を取り巻く不透明な環境を踏まえて先行きには慎重なコメントが目立った。

25日に発表した日本生命保険の基礎利益は36%増の4866億円で、グループで基礎利益の開示を始めた15年以来で最高益となった。明治安田生命保険や住友生命保険なども株高や円安による好調な運用益が利益を下支えした。外債投資の際に支払うコストが日米金利差の縮小で小さくなったことも各社の利益を押し上げた。

日本生命は25年3月期の基礎利益を前の期比4%減の7300億円と見込んでいたが、好調な運用益などを背景に約9000億円と18%の増益予想に転じた。25日の記者会見で赤堀直樹取締役専務執行役員は「本来であれば喜びたいところだが、マーケットや地政学的リスクを考えると楽観視できない」と話した。

すでに決算を公表した第一生命ホールディングスもグループ全体の修正利益が42%増の2452億円。通期の業績見通しに対する進捗率は72%と高いものの、不透明な市場環境を理由に業績予想は据え置いた。

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