米連邦準備制度理事会(FRB)=2015年、ワシントン(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)は22日に公表した金融安定報告書で、米国の財政悪化が金融安定維持に向けた最大の脅威だと市場関係者が指摘していると明らかにした。4月の報告書では、インフレ再燃やFRBの高金利政策が最も警戒されていたが、大幅に後退した。  報告書は半年に1度公表される。市場関係者への今回の調査は米大統領選前の8月下旬~10月下旬に実施した。  米国の財政悪化を脅威として挙げた人の割合は4月の40%から54%に上昇。中東情勢の緊迫化は32%から46%、米国の景気後退は28%から38%にそれぞれ上がった。一方で、インフレ再燃や金融引き締めは72%から33%へと大幅に減少した。  FRBは「財政悪化への懸念が長期金利を押し上げて成長を抑制し、借り手に負担をかける可能性がある」と説明。地政学的な緊張の高まりを巡っては「経済活動の低下やインフレ加速につながる可能性がある」と指摘した。

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