藤原氏が東京センチュリーの社長となる人事は金融界で意外感をもって受け止められそうだ

みずほフィナンシャルグループ(FG)系列のリース会社である東京センチュリーは8日、みずほ銀行の藤原弘治前頭取(63)が2025年4月1日付で社長となる人事を発表した。東京センチュリーは28年3月期に連結純利益を1000億円とする計画を掲げる。メガバンクを率いた手腕や国内外にネットワークを築く藤原氏に計画の実現を託す。

メガバンクの頭取経験者が系列企業の社長になる人事は極めて異例だ。馬場高一社長(63)は特別参与に退く。東京センチュリーの純利益は24年3月期で721億円だった。

同社は伝統的なリース業を脱するため、16年10月に「東京センチュリーリース」の社名から「リース」を外した。20年7月には国内で草分けのプライベート・エクイティ(PE)ファンドであるアドバンテッジパートナーズと資本提携した。事業にリスク性の資金を投じて成長や利益を求める事業投資に注力するなどビジネスの幅を広げてきた。

みずほには統合前の旧行に源流を持つ系列のリース会社が3社併存する。ほかのメガバンクグループがリース会社の再編を終えて事業拡大に動くなか、再編の道筋をどう描くかも課題として残る。

藤原 弘治氏(ふじわら・こうじ)85年(昭60年)早大商卒、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。12年みずほフィナンシャルグループ執行役員、14年同取締役兼執行役常務。17年みずほ銀行頭取。23年みずほFG特別顧問。広島県出身。

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