<挑む>   数百万円程度の初期投資コストがかかるコーヒー豆焙煎(ばいせん)機を共有し、新たにカフェを始めたい人たちを応援する「シェアロースト」。近年首都圏を中心に広がるサービスを、東京都世田谷区のコーヒー販売店「シュエット・トレファクチュール・ラボラトワール」は7年前から続けている。代表の高山健二さん(41)は「コーヒーを商売にしたい人の思いに応えたい」と力を込める。

機材を前に、コーヒー業界を盛り上げたいと語る高山健二代表=東京都世田谷区宮坂で

 料理人として勤めたフレンチレストランで味の奥深さを知り、コーヒーで生計を立てようと志した。カフェで働きながら焙煎機メーカーにも通って学んだが、説明されたのは機械の基本的な操作方法程度。おいしい焙煎法を教えてくれる人はおらず、試行錯誤で自分の味を確立した。  「焙煎で壁にぶつかり、困っている人は他にもいるはず」。フランス語で「フクロウ焙煎研究所」と名付けた自分の店を構えて1年後、店の機材を使った焙煎のセミナーを始めた。

◆800人近くがセミナーを受講

 セミナーは2時間で1万8000円。受講後に豆代別、1回600円で店の焙煎機が使える。追加料金を払えば、温度や加熱時間のデータを取得し、次回以降に反映できる。  これまでに800人近くがセミナーを受講。30人ほどがシェアローストも経てカフェやコーヒー豆販売店として独立を果たした。「人を育てることで、自分も成長でき、ここまで商売を続けられた」と胸を張る。  当面の目標は、生豆の卸業者との連携強化。「コーヒーを愛する人との情報交換を密にし、業界全体を盛り上げたい」(鈴木太郎) 

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