エネルギーやインフラ向け投資ファンドを運営するIDIインフラストラクチャーズ（東京・港）から資金を不正に支出して同社に損害を与えたとして、東京地検特捜部は29日、元代表の埼玉浩史容疑者（61）を会社法違反（特別背任）などの疑いで逮捕した。

逮捕容疑は2018年6月、部下と共謀し業務委託費用の名目で同社から2160万円を不正に支出したうえ、19年11月に元代表が取締役を務めていた海外の会社からも業務委託を装って約19万4000ドルを不正送金した疑い。特捜部は認否を明らかにしていない。

IDI社は07年設立で、火力発電などに投資するインフラファンドを運営。投資組合をつくり金融機関などを中心に数百億円規模の出資を受けている。

不正支出などの疑いは内部通報で発覚した。会社運営に関して不適切な行為があったとして、外部の弁護士による調査委員会を設置。元代表は20年10月に解任された。特捜部は今月、関係先を家宅捜索していた。

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