【ニューヨーク=竹内弘文】米大手投資会社KKRが24日発表した2024年7〜9月期決算で、手数料関連収益が前年同期比79%増の10億ドル(約1500億円)となり過去最高を記録した。投資案件の増加に伴い、出資や融資の引き受けを担う資本市場部門の手数料が大幅に伸びた。運用資産の増加に応じて運用報酬も増えた。
米国会計基準上の純利益は保険事業の費用増などで56%減の6億5400万ドルとなったものの、資産運用事業の評価損益の影響などを除いた「調整後純利益」は58%増の12億3500万ドルとなった。
共同最高経営責任者(CEO)を務めるジョー・ベイ氏とスコット・ナトール氏は連名の声明で「KKRにとって、正常化した事業環境への回帰を反映した好調な四半期となった」と説明した。米利上げ局面ではプライベートエクイティ(未公開株)や不動産投資に逆風が吹いたが、金融緩和方向への転換により取引案件が増加している。
9月期末の運用資産総額は前年同期比18%増の6240億ドルとなった。クレジットやインフラ投資を中心に期中に240億ドルの新規資金を調達した。新規調達額の半分程度は、子会社の保険会社グローバル・アトランティック経由の長期資金だ。
決算説明会では日本における事業にも触れた。ロバート・ルイン最高財務責任者(CFO)は日本での各種投資戦略を合計した運用資産は計250億ドルに相当すると説明した。「現状の規模を足がかりとして同市場で競争を勝ち抜き、さらに規模を拡大していくことに自信を持っている」と述べた。
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