◆「失効額」見込みより少なく…返還規定もなし
事業は経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業補助金」。消費税率10%への引き上げに合わせ、国が消費喚起とキャッシュレス決済推進のために実施した。消費者がキャッシュレス払いをした際、決済事業者が支払額の2%または5%をポイントなどで還元すると、その還元分を国が負担する仕組み。国は、還元後に未使用のまま失効すると見込まれる分(見込み失効額)を差し引いた4782億円余を876事業者に交付した。 このうち、会計検査院は、23年3月末時点で実際に失効額が発生するなどしていた37事業者のポイントサービスを調査。見込み失効額で国が交付していた補助金が105億3701万円だったのに対し、実際の失効額を基に算出した金額は89億1056万円とより少なかった。双方の差額は16億2644万円となり、使われないまま事業者に滞留していた。 経産省の担当者は「同様の補助事業を制度設計する際は、会計検査院の指摘を踏まえて行いたい」とコメントした。検査院の調査を受け、補助金を返還できるような規定に変えている。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。