1株利益は市場予想を上回った=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】米金融大手ゴールドマン・サックスが15日発表した2024年7〜9月期決算は純利益が前年同期比45%増の29億9000万ドル(約4400億円)だった。株式のトレーディング業務が好調だったほか、企業の活発な資金調達を追い風に債券や株の引受業務など投資銀行ビジネスの手数料収入が伸びた。

1株当たり利益(EPS)は8.40ドルとQUICK・ファクトセット集計の6.89ドルを上回った。

事業会社の売上高に相当する純営業収益は7%増の126億9900万ドルだった。市場予想(117億6900万ドル)を上回った。

トレーディングは株式関連の収益が18%増の35億ドルと好調だった。7〜9月期の米株相場は景気不安から一時的に急落したものの、総じて上昇基調をたどった。顧客の取引が活発になり、デリバティブ(金融派生商品)や現物株の売買仲介が伸びた。債券・為替・商品(コモディティー)の「FICC」の収益は12%減の29億ドルだった。

投資銀の手数料収入は20%増の18億ドルだった。買収ファンドなどの資金調達を支援するレバレッジド・ファイナンスや投資適格企業の起債が盛り上がり、債券の引き受けが46%増えた。株式の引き受けは25%増え、M&A(合併・買収)助言は5%増だった。

リテール(個人向け)事業の縮小に伴う損失も出た。米ゼネラル・モーターズ(GM)とのクレジットカード事業の提携解消やその他の事業売却のコストとして、税引き前損益ベースで4億1500万ドルの損失を計上した。GMのクレカ事業は英金融大手バークレイズの米国法人が引き継ぐとGMとバークレイズが14日に発表している。

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