阪急電鉄など大手私鉄3社と大阪メトロで改札機でのクレカ決済を始める

阪急電鉄、阪神電気鉄道、近畿日本鉄道、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の4社は9日、改札機でのクレジットカードによるタッチ決済を、10月29日からほぼ全駅で導入すると発表した。導入駅は計548駅にのぼり、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)を控え、交通系ICカードを持たないインバウンド(訪日外国人)の利便性が高まる。

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三井住友カード(東京・江東)が提供する公共交通機関向けのタッチ決済サービス「stera transit(ステラトランジット)」を使う。VISAやJCB、アメックスのほか、中国大陸で普及する銀聯(ぎんれん)などに対応し、マスターカードは今後対応を進める。ステラトランジットを使う鉄道事業者の間であれば相互直通にも対応し、交通系ICカード同様に使える。

大阪メトロと阪急電鉄は全駅で導入する。近鉄は生駒ケーブル(近鉄生駒鋼索線)とJR西日本と共同使用する柏原駅以外、阪神電鉄は山陽電気鉄道と共同使用する西代駅以外の全駅で導入する。

ステラトランジットは南海電気鉄道が21年4月に導入して以降、全国32都道府県で130の鉄道・バス事業者などが導入する。事業者がカード手数料を支払う必要がある一方、海外ではクレカ決済での鉄道乗車が普及しており、インバウンドにとっては利便性向上につながる。首都圏では東急電鉄や京王電鉄が導入するほか、関西では大阪モノレールや神戸市営地下鉄など8事業者で導入している。

関西ではICカードのほかに、QRコード乗車券の導入も進む。関西の鉄道・バス事業者が加盟する「スルッとKANSAI協議会」は6月、企画乗車券と呼ばれる1日乗車券や各社共通の周遊パスでQR対応を始めた。京阪電気鉄道では29年度までに磁気乗車券を廃止する方針を掲げ、24年度中にも普通乗車券でもQRコード対応を始める。JR西日本も4月から211駅の自動改札へのQR読み取り機設置を進め、24年度下期以降のQR乗車券の利用開始をめざす。

現行の磁気乗車券は、自動改札機を設置するスペースや設備投資の負担が大きい。1秒未満で情報読み取りやチェック、穴開けなどの処理をするために機構が複雑で、導入コストで1台数百万円以上かかり、維持費用も膨らむ。用紙に金属成分を含み、リサイクルにも手間がかかる。

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