助成金の交付先に選ばれたカーボンエクストラクトの森山哲雄社長㊨(9日、福岡市)

ふくおかフィナンシャルグループ(FG)の一般財団法人「ふくおかフィナンシャルグループ企業育成財団」(キューテック)は9日、新興・中小企業のほか、事業化を目指す大学や高専の技術に対する助成金について、2024年度の交付先11件を発表した。二酸化炭素(CO2)を極めて薄い膜で回収する技術を持つ、九州大学発スタートアップなどを助成対象に選んだ。

CO2回収のための数十ナノ(ナノは10億分の1)メートル単位の薄さの分離膜を手掛けるのはCarbon Xtract(カーボンエクストラクト、福岡市)。森山哲雄社長は、技術の使い道について「環境に貢献しつつ農作物の収穫量を高める取り組みをしたい」と話した。

このほか、デング熱の治療薬を研究する九州大学の高橋英機教授や、透析患者向けの水素吸入装置を開発する山口大学の佐野元昭教授も助成を受けた。

助成額は1件あたり500万円で、今年度は総額5500万円だった。キューテックは中小ベンチャーの研究開発支援などを目的に1985年に設立され、18年度からは大学や高専の技術も助成の対象にしている。

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