回転ずし大手のくら寿司は24日、東京・銀座で25日に開業する旗艦店で、江戸の町人文化をテーマに客の前で握りずしを出す屋台を初導入すると発表した。店員を一切介さず利用できる省力化を極めてきた同社だが、新型コロナウイルス禍後の消費の「リアル回帰」に合わせて人の手によるサービスを増やす。
同社の田中信副社長は会見で「一歩前へ進むニューリアル(新現実)が必要」と述べた。同社は同業大手が廃止した回転レーンでの提供も「競争激化の中では商機となる」(田中氏)と続けており、銀座の新店舗では五感に訴えるサービスをより重視する。
訪日客らを狙って25日にオープンする「くら寿司 グローバル旗艦店 銀座」(東京都中央区)は、東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅から徒歩2分にある商業ビル「マロニエゲート銀座2」に入る。有楽町には業界最大手「スシロー」があるが、大手回転ずしで銀座エリアへの進出は初。ビルに同居するアパレル大手のユニクロとも今回初めて共同し、国内6店舗のグローバル旗艦店でコラボ商品を期間限定で出す。
新店舗では歌川広重が描いた浮世絵の世界を再現する「くら小江戸」をテーマにすし、天ぷら、団子と3つの屋台を採用。店員が目の前ですしを握ったり、天ぷらを揚げたりするパフォーマンスを楽しんでもらう。
この屋台エリアでは壁のLED照明で打ち上げ花火を表現するなどし、江戸時代のお祭りにタイムスリップしたかのような雰囲気を演出する。会見に出席した店舗デザイン担当のクリエイティブディレクター、佐藤可士和氏は「食をテーマにしたエンターテインメント」とアピールした。(田村慶子)
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