NTTデータは2日、宿泊事業者向けの新たな決済代行サービスを構築すると発表した。宿泊客がNTTデータと連携する旅行予約サイトを通じてホテルなどを予約した場合、予約サイト運営会社に支払われた宿泊費をカード会社を通じて宿泊事業者の口座に即時送金する。原則チェックインまでに入金し、未払いの防止や資金繰りの改善につなげる。
国内では旅行予約サイト経由でホテルなどを予約した場合、宿泊客はチェックイン・チェックアウト時に直接宿泊料を支払うケースがある。一方、訪日客などは予約時にサイト上で支払いを済ませるケースが多く、宿泊事業者は旅行予約サイト会社に対して宿泊費を請求する必要がある。宿泊日から入金日までに時間差が生じることから、宿泊事業者の資金繰り悪化の一因となっていた。
今回の決済サービスは、米マスターカードの法人向けクレジットカードの仕組みを活用する。決済システムのネットスターズや三菱UFJニコスも参画し、決済情報の処理などを担う。NTTデータは宿泊事業者に対してサービス導入を勧める。今後、連携する旅行予約サイトや宿泊事業者を増やし、3年で計1兆円の取扱高を目指す。
第1弾として、シンガポールの旅行予約サイト「アゴダ」とビジネスホテルのリブマックス(東京・港)間の精算業務を代行する。アゴダが専用のカード番号を使って、カード会社に代金を支払い、加盟店であるリブマックスはカード会社から宿泊費を受け取る。リブマックスは手数料として売り上げの数%をNTTデータなどに支払う一方、早期の入金により年間200億円程度のキャッシュフロー改善を見込めるという。
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