日銀が24日発表した3月の企業向けサービス価格指数(2015年平均=100)は111.0と、前年同月比2.3%上昇した。伸び率は2月(2.2%上昇)から0.1ポイント拡大し、8カ月連続の2%台となった。土木建築や機械修理などで人件費の上昇分を価格に反映する動きが続いている。企業収益が堅調で広告の増加も全体の押し上げに寄与した。
同日に発表した23年度ベースの指数は109.7と、前年度比2.1%上昇した。消費税の影響を除くと1991年度以来、32年ぶりの高い伸びとなった。
企業向けサービス価格指数は企業間で取引されるサービスの価格動向を表す。例えば貨物輸送代金や、IT(情報技術)サービス料などで構成される。モノの価格の動きを示す企業物価指数とともに今後の消費者物価指数(CPI)に影響を与える。
調査対象となる146品目のうち、価格が前年同月比で3月に上昇したのは108品目、下落は22品目だった。
内訳をみると、宿泊サービスは前年同月比28.0%上昇した。インバウンド(訪日外国人)を含む人流回復の影響で価格が押し上げられた。情報通信(2.3%上昇)や土木建築サービス(8.1%上昇)などの分野では人件費を転嫁する動きが続いている。
広告は前年同月比2.2%上昇し、2月(1.0%下落)からプラスに転換した。年度末は予算消化のため出稿需要が高まる傾向にあり、企業収益の堅調さが出稿を支えた。
外航貨物輸送は前年同月比13.7%上昇した。海運相場の上昇が価格を押し上げたほか、円相場が2024年3月(平均)では1ドル=149円台で推移し、23年3月(1ドル=133円台)より円安が進んだことも寄与した。
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