◆「労働市場の流動性を高める狙い」

 「今の新入社員はビズリーチ(転職支援大手)に100%入っている。より良い職場を求めて労働移動するのは良いこと」  経団連の十倉雅和会長は24日の会見でこう述べ、自民党総裁選に絡んで国民から批判が上がった労働市場の改革案について沈静化を図った。

経団連の十倉雅和会長(資料写真)

 十倉氏は、総裁選候補の小泉進次郎元環境相が口にした解雇規制の見直し策は「労働市場の流動性を高めるのが狙い」であり、岸田政権が進めた労働市場改革に沿ったものとの見解を示した。

◆「リスキリングを怠る企業は選ばれなくなる」

 その上で「何が何でも全員が労働移動すべしという話ではない。選択できる社会、自分のキャリアや能力を見つめ、自己実現のためにいい職場を選べるのがいい」と意義を述べた。  ただ、若手社員の転職志向の高まりは、社内教育の低下などを背景にした将来への不安が大きな要因とされている。十倉氏も「リスキリング(学び直し)に熱心でない企業は選ばれなくなる」と述べたが、流動化ばかり叫ばれても国民の不安は解消しない。(久原穏) 

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