開始イベントで俳優の吉高由里子さん(右)と小栗旬さんを呼んで大々的にアピールした新生「Vポイント」=22日、東京都目黒区

三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の「Tポイント」が統合した新生「Vポイント」を巡り、サービス開始直後の22日に発生したトラブルが23日も続いた問題で、専門家は「アクセスが集中することを想定できなかった見通しの甘さ」を問題点のひとつとして挙げた。

金融情報システムに詳しい静岡大学情報学部の遠藤正之教授は「システムなどを統合する上で、初期のトラブルの発生リスクは高い」と指摘。その上で、「今回の不具合が生じた原因のひとつとして、大量のトランザクション(システムの一連の処理)への対応がうまくいかなかった可能性がある」と分析する。

運営する三井住友カードは、システムの不具合の影響でVポイントを貯められなかった場合、該当のレシートを添付して29日までに申請フォームから申請することでポイントを付与し、対応するとしている。ただ、1週間もない対応期間について遠藤氏は「短い」と苦言を呈し、月内に処理しようとしている印象を持ったという。

このトラブルを巡っては、三井住友カードとCCC側の両方のシステム運用で問題があった。三井住友カードは、22日午前11時ごろからシステムトラブルが発生し、三井住友銀行のアプリなどでTポイントとのID連携や残高表示ができなくなったと発表。プログラムで一部不備があったことが原因で、23日午前3時には復旧したと説明している。

一方で、CCC側が提供する「モバイルVカード」でも22日からアプリにアクセスしにくい状況が確認され、23日午前まで続いた。同社はこの原因について、「想定外にアクセスが集中しため」としており、システムの中央演算処理装置(CPU)を増強することで23日午後1時頃に不具合は解決したとしている。

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