政府が、次世代半導体の量産を目指すラピダスの支援を念頭に置く関連法案について、年内の臨時国会での提出を断念する方向で調整に入ったことが19日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。自民党総裁選後に早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されており、審議時間を十分に確保するのは難しいと判断した。2027年の量産開始計画に影響を及ぼす可能性もあり、経済産業省は年明けの通常国会で成立させたい考えだ。 政府はラピダスに対し総額9200億円の助成を既に決定。同社は北海道千歳市に工場を建て、25年に試作ラインが稼働する。量産実現には5兆円の資金が必要だと見積もるが、トヨタ自動車やNTTなど民間企業からの出資は計73億円にとどまり、残り4兆円余りのめどが立っていない。 このため、政府は民間の融資促進を目的に金融機関の融資が焦げ付いた場合に保証する案を検討している。政府が出資したり、さらなる助成の財源を確保したりすることも想定する。 岸田文雄首相は今年7月、「量産などに必要な法案を早期に国会提出したい」と表明した。
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