【ロンドン=大西康平】英イングランド銀行(BOE)は12日、銀行に対する国際的な資本規制「バーゼル3」の最終規則の英国での適用開始を2026年1月に半年延期すると発表した。自己資本基準に関する規制は、現行と比べて「実質的な変更がない」との見方を示した。
英国の主要銀行の普通株などを含めたティア1の自己資本基準について、増加幅が1%未満になるとの試算を出した。従来までは3%の上昇になるとの見方もあった。中小企業やインフラ向けの融資に対する資本要件も引き下げる。
英金融界からの規制強化に対する反発を受け、当初案から修正されたようだ。すでに23年9月にも、適用開始を半年延期していた。
BOE傘下の健全性規制機構(PRA)のフィル・エバンズ氏は「当初案の保守的過ぎた点を変更した。リスクに備えて過剰な資本を保有するよう求めるつもりはない。安全性と健全性を維持しながら、より低コストで機能する規則を目指した」とコメントした。
米連邦準備理事会(FRB)も10日、米銀大手の自己資本規制の強化案を大幅に修正して再提案すると表明した。銀行界の反発を受け、国際的に活動する巨大銀行に求める自己資本の上積み幅は当初案の半分になる見通しだ。
- 【関連記事】米銀大手の資本規制、引き上げ幅半分に FRB副議長
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。