日銀の高田創審議委員は5日、金沢市で地元の金融機関などが参加する金融経済懇談会に出席した。石川県の景気の現状について「能登半島地震の影響が残るが、回復に向けた動きが広がっている」と述べた。被災した設備の復旧が進んでいることやインバウンド(訪日外国人)の増加などを理由に挙げた。一方、地震の被災地については「担い手不足による復旧復興の遅れが課題になっている」とした。

日銀の高田創審議委員は「公共投資による景気の下支えが効いてくる可能性もある」と述べた(5日、金沢市)

懇談会終了後に記者会見した高田委員は「電子部品や繊維などで工場の生産はおおむね震災前のレベルに持ち直してきている」と指摘。また「国、県、市に多額の復旧復興予算が組まれており、公共投資による景気の下支えが効いてくる可能性もある」との見方を示した。

懇談会に先立って被災地を訪れた高田委員は「生活再建の途上にある人も多く、倒壊した家屋の解体などは道半ば」と述べた。金融機関に対しては「金融機能と同時に被災した事業者の事業継続への対策も求められている」とした。

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