【ジュネーブ共同】国際労働機関(ILO)は4日、主要国の雇用情勢に関する報告書を発表し、国内総生産(GDP)に占める労働所得の割合が、技術革新により過去20年間で減少したと明かした。人工知能(AI)の普及などで生産性が向上したものの、労働者が十分に恩恵を受けていない可能性がある。また生成AIの進歩により、さらに格差が拡大しかねないとの懸念を示した。  ILOは高所得国を中心とした36カ国のデータを分析した。日本は含まれていない。  報告書によると、AIなどの技術の発達により、生産性が向上して労働所得の額が大きく増加した一方、GDPに対する労働所得は割合が低下した。この割合は2004年の53・9%から22年に52・3%に低下し、23~24年も同等の水準が続くと予測した。  担当者は「04~24年で1時間ごとの生産性は58%上昇し、労働所得は53%増えた。この5ポイントの差が、労働所得の割合低下につながっている」と指摘した。


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