東京証券取引所は30日、2023年3月にPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業などを念頭に出した「資本コストや株価を意識した経営」の要請について、新たな施策をまとめた。上場企業の情報開示が進んだため、企業群を3つに分けて対応方法を示した。
要請への対応状況で上場企業を①自律的に取り組みを進める企業②今後の改善が期待される企業③開示に至っていない企業――の3つに分類した。東証によると、プライム上場企業で①②は86%(1406社)、③は14%(237社)。スタンダード上場企業では①②が44%(701社)、③は56%(901社)という。
①の企業については「取り組みを引き続き後押し」するとした。②の企業については投資家の目線と合致しない点などが課題と考えており、企業の取り組みの事例集を改訂することで検討材料を提供する。上場企業の経営者らを啓発するためのセミナーや個別訪問も継続実施する。
③の企業については、投資家向け広報(IR)機能の確保を促す。具体的な対応方法は今後決める。
30日に公表した文書では開示内容と投資家との目線にずれがあることなどを踏まえ「改革は始まったばかり」と指摘した。今後の方針として「日本市場の魅力向上に向けて上場企業の数ではなく質を重視」とも明記した。
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