東京商工会議所の「首都圏問題委員会」は6月にまとめた国と都への要望書で、「国際文化都市東京の実現」に向け、「文化の力」を再認識する重要性を提言した。委員長を務める東急の野本弘文会長(76)に、街づくりに必要な考え方を聞いた。(大島宏一郎)
◆「文化・交流」の順位が低い東京
東京商工会議所首都圏問題委員長として、東京の魅力について語る野本弘文・東急会長=東京都渋谷区で
東京は、(森記念財団の「世界の都市総合力ランキング」で)ロンドンやニューヨークなど世界の有力都市と比べ、「文化・交流」分野の順位が低く、特に「ナイトライフ充実度」において後れを取っている。ただ、谷根千(谷中・根津・千駄木)や増上寺、池上本門寺といった寺社など、歴史を感じることができる地域が多くある。中野や池袋など、世界的に評価されている漫画・アニメといったサブカルチャーなどの文化資源も有する。 これらの地域に根付いた魅力を再発掘し、街づくりに生かしていくことが、「国際文化都市東京」の実現につながると考える。街づくりに文化やエンターテインメントは欠かすことのできない要素だ。人間は楽しいと思うところに足を運ぶ。そこで豊かさや美しさを感じる。文化やエンタメはまさに楽しさそのものだ。 インバウンド(訪日客)を意識した昨今、ナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)の活性化も大事だと思う。(昨年4月に新宿・歌舞伎町でオープンした)「東急歌舞伎町タワー」も、劇場や映画館、ライブハウスなどエンタメ施設とホテルから成り、周辺の街と合わせて夜遅くまで楽しめることをコンセプトにした。「国際文化都市」の一翼を担う施設に育てていきたい。オフショット コンサートやスポーツなどのエンターテインメントに関心があります。NBA(米プロバスケットボールリーグ)が来日したときには試合を観戦しました。
バスケットボールの試合観戦に訪れた東急の野本弘文会長(東急提供)
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