◆アメリカが利下げすれば「160円台には戻らない」
今後の為替相場について、野村総合研究所の木内登英氏は、「米国が利下げするという条件が揺るがなければ、もう160円台には戻らない」として、年末には1ドル=140~145円台になると予測する。 米国はコロナ収束に伴うインフレを抑えるため、政策金利を段階的に5%台に引き上げたが、日本はマイナス金利を今年3月まで継続。日米の金利差を背景に、2022年年明けの1ドル=115円台から、今春、160円を突破した。円安の進行は輸入物価を押し上げ、家計の節約志向を強めたとされる。 一方、円高が進めば、輸入物価の下落で家計負担の軽減が期待される。だが、練馬区のスーパー、アキダイの秋葉弘道社長は「物流コストも上がっており、上がった食料品の価格は簡単には下がらない」と話す。 モノの値段が下がりにくいのは、企業の賃上げも影響を与えている。東京都荒川区の中小企業経営者は「人材を引き留めるために無理して賃上げをしている」と指摘。「こうした状況では、せっかく値上げしたものを下げたくはない」と本音を漏らす。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。