パリ五輪・パラリンピックでフランス選手が使用する公式ウエアを着た選手ら(ロイター=共同)

パリ五輪・パラリンピックの日本選手団が表彰式などで着用する公式ウエアが17日、公開された。公式ウエアは〝日の出〟をイメージしたという鮮やかな赤色のジャケットがひと際目を引くデザインだ。一方、各国も大会で着用するウエアを相次いで発表。イタリアは同国を代表するブランド「エンポリオ アルマーニ」が提供すれば、スウェーデンは日本の「ユニクロ」が手掛けるなど、それぞれ特色を打ち出している。国際的な流行の発信地で開催される今回の五輪では、選手のファッションの〝競演〟も注目されそうだ。

フランスは「多様性」を意識

開催国フランスのウエアは、「多様性」を強く訴えたデザインが最大の特徴だ。手掛けたのは同国のスポーツ用品大手「ルコックスポルティフ」で、ファッションブランド「ピガール」の創設者ステファン・アシュプール氏がデザインなどを担当。フランス国旗と同じ青、白、赤のトリコロールカラーを線で区切らずに混ぜ合わたグラデーション柄にすることで、多様性を表現したという。

ベースは白色に見えるが、正しくは無染色無漂白の布地の色である「エクリュ色(生成り色)」だ。「平等」を重視した大会を目指すことを踏まえ、五輪とパラリンピックのエンブレムを統一したデザインにしている。

アルマーニはイタリア選手団のウエアを手掛ける(ジョルジオ アルマーニ ジャパン提供)

フランスと同様に国際的なファッション文化の発信地であるイタリアのウエアは、高級ブランドとしても知られる「アルマーニ」が提供する。デザインを担当したジョルジオ・アルマーニ氏はウエアについて「アスリートのモチベーションを高め、強い帰属意識を育むようにデザインした」とコメント。ブランドを象徴するダークブルーをベースに、上着には白文字で国名を目立つようにあしらった。

ポロシャツには国歌の冒頭部分を襟元にプリントするなど、さりげない〝こだわり〟も詰め込んでいる。アルマーニはウエア以外にも、開会式で着用するユニホームやバッグ、キャップ、スニーカーなども展開する予定だ。

企業指針に共感して申し出

一方、日本の大手アパレルが自国以外のウエアを手掛けるケースもある。手頃な価格のファストファッションを世界で展開するユニクロは、前回の東京大会に続きスウェーデンのウエアを担当する。

東京五輪ではスウェーデンの女子サッカー選手がユニクロのユニホームを着用し話題に(川口良介撮影)

きっかけは、ストックホルムにスウェーデン初となるユニクロの店舗がオープンした2018年にさかのぼる。同国の五輪委員会関係者が店舗を訪れた際、高品質や持続可能性を追求するユニクロの企業指針に共感。翌年にパートナー契約の締結を申し出た。

東京大会では国旗の黄色と青を基調としたシンプルなデザインで、通気性や軽量性などに優れたウエアを提供。合計9個のメダルの獲得を下支えした。パリ五輪での着用モデルは近く発表予定で、東京大会で得たノウハウを生かし、さらに機能性を向上したウエアが提供されるとみられる。

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