東京海上日動火災保険など大手の損害保険会社4社が2023年度に売却した株式が計4400億円程度と前の年度から32%増えたことが分かった。各社が24日までに関東財務局へ提出した有価証券報告書などから明らかになった。

取引先との関係強化が目的の政策保有株式への批判は根強く、各社は30〜31年3月末までの解消をめざしている。24年度は売却加速に向けた「元年」ともされ、岩盤といわれる銘柄に切り込めるかが焦点になる。

23年度に最も保有株を減らしたのは東京海上ホールディングス(HD)傘下の東京海上日動で、売却額は22年度から67%多い約2200億円だった。

4社の保有株を銘柄別にみると、取引量の多いトヨタ自動車やマツダの保有株に変化はなかった。イオンやクボタといった銘柄も減らなかった一方、4社全てが伊藤忠商事の保有株を減らした。

24日には三井住友海上火災保険と三井住友銀行が保有する三井物産の株式を海外市場で売却すると発表した。

24日に各社が開いた定時株主総会でも株主から政策株に関する質問が相次いだ。

三井住友海上やあいおいニッセイ同和損害保険を傘下に持つMS&ADインシュアランスグループHDでは、政策株の売却で得られる資金の使途を尋ねる株主が多かった。樋口哲司副社長は「成長のための投資や運用効率の高い資産に投資していきたい」と答えた。

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