【ロンドン=大西康平】英イングランド銀行(BOE)は20日、政策金利を発表する。7会合連続で政策金利を据え置くとの見方が多い。市場で浮上する8月や9月の利下げ開始観測に対して、声明文やベイリー総裁のコメントでどのような示唆があるかが注目される。

19日まで開いた金融政策委員会の決定内容を発表する。BOEの政策金利はすでに5.25%と2008年以来の高水準だ。

今後の焦点は利下げ開始時期だ。5月の消費者物価指数の前年同月比の上昇率は、2年10カ月ぶりに物価目標の2%まで低下した。サービス価格に根強いインフレ圧力は残るが、ロンドン証券取引所を運営するLSEGによると19日時点で市場の3割が8月、6割が9月の利下げ開始を予想する。

声明文の文言も注目される。これまでは金融政策の先行きについて「十分に長い時間引き締めを維持する必要がある」や「現在の政策金利の水準をいつまで維持すべきか検討を続ける」と指摘していた。

ベイリー総裁は前会合の5月に「インフレが低水準にとどまる証拠がより必要だ」とし、この条件が整えば利下げを開始できるとの見方を示した。さらに「物事は正しい方向に動いている」としたうえで「私は(状況を)楽観的に見ている」と利下げへ前向きな姿勢を示していた。

欧州の中央銀行では利下げが広がる。欧州中央銀行(ECB)は6日、4年9カ月ぶりに政策金利を引き下げた。スウェーデン中銀も5月に8年ぶりに利下げした。

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